Microsoft Ignite 2020 - SharePoint ポータルの最新機能
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新しい Microsoft Stream と SharePoint

現在、Microsoft 365 上でのビデオ共有を行う場所としては次の2つがあります。

  • Microsoft Stream
  • Microsoft 365 内のSharePoint (OneDrive for Businessを含む)

この2つには機能差があり、大規模な人数でビデオストリームを利用する場合は Microsoft Stream を利用し、小規模の場合は SharePoint を使うというような使い分けをしてきました。

この Microsoft Stream は独自のプラットフォームを使っているのですが、これが今後 SharePoint ベースとなり新しい New Microsoft Stream となることが先日の Microsoft Ignite 2020 で発表されました。

Microsoft Stream の変遷

ここで少し変遷を見てみましょう。Microsoft Stream が登場する前は Office 365 Video というサービスがありました。その後、Microsoft Stream が登場するのですが、時間軸で見ると次のようになっています。

Streamの変遷

  • 2014年… Office 365 Video 登場 (SharePoint ベース + Microsoft Azure Media Service )
  • 2017年… Microsoft Stream 登場 (独自プラットフォーム + Microsoft Azure Media Service + AI)
  • 2020年…New Microsoft Stream がアナウンスされる (SharePoint ベース + Microsoft Azure Media Service + AI)

見るとわかる通り新しい Microsoft Stream の基盤は再び SharePoint ベースに戻るということです。ここ数年で SharePoint を土台としたコンテンツ 管理の仕組みも大幅に進化し、検索や AI やコンプライアンス管理などの機能面では飛躍的に性能が向上しています。Microsoft Graph もかなり機能が充実してきました。そんな中での満を持しての SharePoint ベースへのプラットフォームの移行となったようです。

ちなみに、現状での Microsoft Stream のメリットをざっと挙げてみましょう。

  • ビデオのトランスクリプトおよびキャプションの自動生成 (文字起し)
  • ノイズ低減
  • Microsoft Teams との連携 (ビデオ会議の録画を自動的にアップロードしてくれる)
  • SharePoint 上で再生するより細かな速度調整などが可能
  • 画面操作の録画

以上のような魅力的な機能がある反面下記のような課題があります。

  • 検索のしにくさ (日本語は特に検索でヒットしない、Microsoft Search でも検索できない)
  • 一覧のしにくさ
  • ビデオの公開範囲の分かりにくさ (独自の権限管理機能を持つ)
  • コンプライアンス対応の遅れ
  • 分析機能があまり充実していない など

さらに、Office 365 Video 時代から長年、リクエストは上がってきていたもののついに Microsoft Stream になってもついに実現されなかった外部共有機能などもあります。外部共有は匿名アクセスも含めた外部へのビデオ公開のことです。

新しい Microsoft Streamへ

現在の Microsoft Stream は クラシックとして位置づけされ、今後出てくる新たに SharePoint プラットフォーム上に構築される Microsoft Stream は New Microsoft Stream となり、Microsoft 社が公開する各種の公式ドキュメントでは現行の Microsoft Stream は 「Microsoft Stream (クラシック)」と表記されるようになっています。

予定されている機能は次の通りです。

New Microsoft Stream

新しい Microsoft Stream についての公式ドキュメントは下記のリンク先に公開されています。

この公式情報を見ると Microsoft Stream の説明は「the intelligent video app in Microsoft 365」となっており、日本語で訳せばそのまま「インテリジェント ビデオ アプリ」ですね。"インテリジェント" と名がつくと、何かしら仕組みの中で AI が取り入れられているということです。

またマイクロソフトが掲げる Microsoft Stream の新しいビジョンは次の通り。

Our vision is that Microsoft Stream will empower every Microsoft 365 user to achieve more with fast, intelligent video.

このビジョンを達成するために次のことを行うとのこと。

  • Stream expands its role to unlock the intelligence of Microsoft Graph and enhance videos across the Microsoft 365 services.
    ⇒StreamはMicrosoft Graphのインテリジェンスのロックを解除し、Microsoft 365サービス全体でビデオを拡張する役割を拡大します。

  • Stream web app follows the model of the Office web apps to easily work with video like any other document format.
    ⇒Stream Web アプリは、Officeウェブアプリのモデルを踏襲し、他のドキュメント形式と同様にビデオを簡単に操作できるようにします。

  • Stream videos—like any files—can be uploaded and accessed from Teams, Yammer, SharePoint, and OneDrive.
    ⇒ストリーミング ビデオは、Teams、Yammer、SharePoint、OneDriveからアップロードしてアクセスできます。

  • Stream leverages the power of SharePoint content services to store and manage video using integrated Microsoft 365 compliance, governance, permissions, external sharing, go local storage, bring your own keys, and government environments.
    ⇒Stream は SharePoint が持つコンテンツ サービス管理機能を活用して、統合された Microsoft 365 コンプライアンス、ガバナンス、パーミッション、外部共有、ローカル ストレージの利用、独自のキーの持ち込み、政府機関の環境を利用して動画の保存と管理を行います。

  • Stream is flexible to allow customers to use a provided video portal template to easily modify and brand their own video portals or fully customize and integrate video experiences with their intranet and Microsoft 365.
    ⇒ストリームは、提供されたビデオポータルテンプレートを使用して、独自のビデオポータルを簡単に変更してブランディングしたり、完全にカスタマイズしてイントラネットやMicrosoft 365にビデオ体験を統合したりすることができる柔軟性を備えています。

  • Stream delivers new intelligent capabilities including faster and more effective consumption of video content, quick location and extraction of relevant snippets of video, and easy end-user tools to capture screens and record video in Stream and across all Microsoft 365 apps.
    ⇒ストリームは、動画コンテンツのより迅速かつ効果的な使用、ビデオに関連するスニペットの素早い位置情報と抽出、エンドユーザーが簡単に画面をキャプチャして録画できるツールなど、新しいインテリジェントな機能を提供し、すべての Microsoft 365 アプリで利用できます

新たな Microsoft Stream のコンセプトは Microsoft 365内で扱う他のファイルと同様に SharePoint 内でビデオも音声も格納できるようにすることで、従来 Microsoft Stream で培ってきたビデオ共有機能と SharePoint が持つファイル管理機能とを組み合わせて、利点を最大化しようということですね。もっとも、ビデオファイルだけ Microsoft Stream の独自の世界で管理するというのは、ツールを使いこなすうえでは Microsoft Teams や SharePoint などの日々使うツールと使い分けが必要で、操作もシームレスさに欠けていたのは事実でしょう。

ユース ケースは次のように変化します。

Stream (クラシック)

まずはクラシックは次の通り。ビデオ ファイルは他のファイルとは別に格納する必要があり、Microsoft Stream 内にファイルをアップロードし、管理し、Stream 内へのリンクを SharePoint や Teams など別途追加する必要があります。

ファイルの共有、編集などの操作

Apps-do-stuff-files-self
ファイルを作成する & 自分のファイルに戻る Apps-file-creation-self-stream-alone
ストレージ & ファイル群 Apps-storage-extensions-self-stream-alone

 

New Stream

新しい Stream では次のように変わります。Office アプリケーションのファイルなどと同様に、ビデオファイルは Teams や Yammer などどこからでもアップロードでき、自動的に SharePoint プラットフォームに格納されます。そしてビデオファイル自体は、SharePoint, OneDrive, Yammer, Teamsなどどこからでも Stream ビデオとして扱われ、今後権限設定なども他のファイルと同じように行えます。

図を見ていると、現在 SharePoint 内に格納する mp4 などのビデオは、再生時にはSharePointにビルトインされている専用のビューアーが使われますが、これが Stream ベースに置き換わるということなんでしょうね。

ファイルの共有、編集などの操作

Apps-do-stuff-files-video
ファイルを作成する & 自分のファイルに戻る Apps-file-creation-video-stream-merged
ストレージ & ファイル群 Apps-storage-extensions-video-stream-merged

Microsoft 365でビデオ管理する方々は SharePoint の基本機能をきちんと理解しておくことが、今後ますます重要になってきますし、SharePoint を担当する管理者の方は Stream の知識も持ち合わせる必要があると言えます。

そしてこの変更により、今度こそ、外部共有を実現できるようですし、また Graph API を使ったビデオ コンテンツへのアクセスも可能になるとのこと。ビデオポータルを自分の好きなレイアウトで作るといったこともできるようになりそうです。学習用ポータルなんかも柔軟に作れるのではないでしょうか? ここに期待しています。

再生

最近のアップデートで SharePoint に格納されるビデオは Azure Content Delivery Network (CDN) にキャッシュされる仕組みに変更され、再生と信頼性が向上しています。このアップデートは 2020年9月から World wide でのロールアウト中となっています。

「SharePoint: Caching SharePoint videos on the Azure Content Delivery Network (CDN) to improve playback and reliability - ID: 66065

Stream はクラシックの場合は、ビデオをアップロード時に事前にエンコードして暗号化するようになっています。その後、複数のビットレートと解像度でアップロードし、再生時にはCDN を経由して適切なビットレートでストリーミングできるようになります。

現在、OneDrive と SharePoint でビデオ再生するときにはビットレートに応じて次のような再生技術がつかわれているそうです(これは知らなかった!)。

  • 3Mbps ビットレート未満またはビデオ自体が5Mb未満の小さなサイズのビデオは、プログレッシブ再生する
  • 中程度のビットレートのビデオ(3-50Mbps) は、ジャストインタイム(Jus in time) エンコーディングを使ってビデオ再生する。誰かがクリックして動画を再生し、複数の人が同じ地域から動画を再生する際に、CDN 上で動画の暗号化された部分をキャッシュすることで、その場に適したビットレートのストリーミングを行えるようになっている
  • 大きいビットレート(50Mbps 以上)は、サービス内では再生できないため、いったんローカルにダウンロードして再生する必要がある

今後、新しい Stream は、OneDrive や SharePoint に存在する上記の再生技術を改善し、動画のビットレートやコーデックを気にする必要のない Stream (Classic) に匹敵する高品質でパフォーマンスの高い再生体験を実現するとのこと。動画をアップロードするだけで、Streamは視聴者がスケールに合わせて再生できるようになるそうです。

Microsoft Teams 会議の録画

現在、Microsoft Teams 会議は録画すると自動的に Microsoft Stream 上にアップロードされますが、New Steamの登場により格納先が変わります。チャット内での会議の録画は OneDrive for Business へ、チーム内での会議の録画は SharePoint に格納されるようになります。特に気を付けたいのは OneDrive for Business  です。容量が1人当たり1TBあるので、録画を格納する場所としてはここを使えれば、容量的には大抵の場合は余裕があると思います。とはいえ、その人が退職した場合にどうするのかを考える必要があり、録画の保持期限をどうするかという一定のルールは必要になるでしょう。

  • 2021年Q1に Teams 会議の録画は Microsoft Stream には格納されなくなる
  • チャット上での録画は個人の OneDrive for Businessへ、チーム内での録画は SharePoint 上に格納される

SharePoint または OneDrive に録画を格納する場合の制限事項は次の通りです。

  • There will be English-only closed captions and transcripts. (英語のみクローズドキャプションとトランスクリプトが利用できる)
  • You won't be able to search transcripts or their content.(トランスクリプトやコンテンツ検索はできない)
  • You won’t be able to edit the transcripts, but you'll be able to toggle captions off/on.(トランスクリプトは編集できないが、キャプション表示のオン/オフはできる)
  • You can control with whom you share the recording, but you won't be able to block people with shared access from downloading the recording.(だれと録画を共有するかを制御できるが、録画を共有アクセスできる人にダウンロードをさせないようにはできない)
  • You'll not get an email when the recording finishes saving, but the recording will appear in the meeting chat once it’s finished. This will happen much quicker than it did in Stream previously (録画の保存の完了通知をメールで取得することはできない。その代り、録画が終わるとミーティング内に録画が表示される。以前の Stream よりも素早く録画にアクセスできる)

OneDrive および SharePoint への移行は 2020年10月より(今月から!) 段階的に開始されます。

Microsoft Stream を使い続ける場合は11月にオプトアウトする必要があるとのこと。詳しくは下記のリンク先も参照してください。

 

移行

今後はクラシックから New Stream への移行が必要になってきます。

そこで誰もが気になるところがストレージ容量。これは SharePoint のストレージを消費することになります。もともと Office 365 Video は、SharePoint ストレージを消費する仕様でしたから、元に戻るということですね。ですから、以前にも増して保持期限なども考慮したいところです。1時間のTeams会議で約400MBほどのファイル容量となるため、ここからベースを算出するのがよさそうです。保持期限に関しては保持ラベルとポリシーを使って自動的なクリーンナップも可能になります。

また一定の日数が経過すると会議の録画を自動削除したり、逆に長く保持するフラグ設定する機能なども予定しているとのこと。

We are also going to be adding a new feature for all license types that expires and deletes meeting recordings automatically after a certain number of days, with the ability for the admin to change that limit, and for the user to flag specific recordings that need to be kept longer.

New Stream はリリース当初は、クラシック Stream と比較するとデグレードする部分もあり、日本語の文字起しなどがまだ利用できないようですが、これが使えるようになれば、ビデオの内容を文字起しし Word ファイルに格納して保存するといったアーカイブ方法も取れるでしょう。

ちなみに直接 Stream には関係ありませんが、英語ではあれば Word on the web が利用できます。これを使うことで録音からの文字起し機能が利用できます。参考:「Transcribe your recordings

これから提供される予定はあるものの、提供開始日が未定となっているのは次の通りです(※部分は私の心の声)。

  • OneDrive と SharePoint のビデオで使用されるストリームビデオプレーヤーおよびプレーヤーページ
  • 古い録画をクリーンナップするための Microsoft Teams 会議録画の自動有効期限
  • ビデオ用の強化されたSharePoint Webパーツ  (※専用の Webパーツが出てくるのか、ファイル ビューア Webパーツがアップデートされるのかは不明)
  • 音声およびビデオのトランスクリプトとクローズドキャプションの生成機能 (※これが早く欲しい)
  • トランスクリプトの検索 (※ Microsoft Search で検索できるということでしょうね)
  • トランスクリプトの情報ガバナンスのサポート (電子情報開示、法的情報保留など)
  • IT 管理者による継続的な改善と新機能のサポート (クラシックストリームから新しいストリームへの移行)
  • クラシックストリームから新しいストリームへのエンドユーザーによる移行のサポート
  • 特定のビデオに関するニーズをよりよくサポートするための Microsoft Graph File API に対する改善
  • プレイリスト (※これは今までなかったな。一応チャネルがこれに該当するといえばするか。。)

 

以上、Microsoft 365 は進化し続けていますが、いち早く情報収集を行い新しい変化に備えておきましょう。

 

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